出典:朝日新聞DIGITAL
いよいよ来月から始まる日本でのラグビーワールドカップ。
でもラグビーって野球やサッカーと比べてルールが分かりにくいので、いきなり観てもイマイチ何が面白いのかよく分かりにくいですよね…
っということで今回は、元ラガーマンである僕が、これだけ知っていれば楽しめるというラグビーの魅力やルールについてご説明していきます!
詳細なルールまで全て書くと逆に分かりにくくなるのでこの記事では省略していますが、今はテレビ放送中にdボタンを押すと反則の解説が見れるようになっていますのでそちらも参考にしてください。
ラグビーってどんなスポーツ??
ラグビーは前にパスを出してはいけない
出典:フォト蔵
ラグビーではパスを自分よりも前に出してしまうと、スローフォワードという反則になってしまうため、最低でも真横、基本的には自分より後ろにしかパスを出せません。
では前に進んでいくためにはどうするかというと、自分の体を使って前に進んでいくんです!
もちろんボールを持って前に進んでいけば、相手から強烈なタックルを喰らいますので、男と男の筋肉と筋肉のぶつかり合いこそがラグビーの最大の魅力だと言えます。(※女子ラグビーもあります)
パスできないならキックすればいいんじゃない?
パスが後ろにしかできないなら、キックで前に進めたらいいじゃないと思ってしまいますが、ラグビーではキッカーよりも前にいた選手は、自チームの選手に追い抜かれるまではボールに触れないというルールがありますので、サッカーのようにフォワードが前線で待っているということはできません。
ただ相手の選手の裏側にキックをしたり、高くボールをキックして競り合ったり、以下の動画のように後ろから走ってきた選手にキックでパスしたりできますので、キックをどう使うかも大事になってきます。
ラグビーが自己犠牲のスポーツと言われる理由
『One for All , All for One(1人は皆のため、皆は1人のため)』という言葉の通り、ラグビーは自己犠牲のスポーツだとよく言われます。
というのもラグビーは1人の力だけでは前に進めない仕組みになっているんですね。
ラグビーはアメフトと違って、タックルで倒されてもプレーは続きますので、何もしなければ倒された選手が持っているボールは相手に奪われてしまいます。(倒れた選手はボールを離さなくてはいけない)
なので上の写真のように、ボールを奪いに来る相手から味方を守るために必ずフォローをしなくてはいけません。
この倒されたプレーヤーが持つボールの争奪戦をラグビーではラックと呼びます。
ラグビーは何回もタックルされ、倒されながら少しずつ前に進んでいくスポーツなので、ボールを持つプレーヤー以外の体を張ったサポートがなければ絶対に得点は奪えないのです。
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また、守るときに1番大事なことは、きっちりタックルを決めて相手に抜かれないことなんですが、全員が一斉に前に出ていないとギャップを突かれて間を簡単に抜かれてしまいます。
相手に押し込まれれば一旦下がってからまた全員で前に出る。
タックルした選手はすぐに起き上がってまたディフェンスのラインに戻る。
簡単なことのようですが、ラグビーは体のぶつかり合いで消耗しますから、めちゃくちゃ苦しいんですこれ。
攻撃でも守備でも、1人だけスーパープレイヤーがいてもラグビーは絶対に勝てません。
どれだけ苦しくても15人全員が、味方のためにプレイできるかどうかにかかっています。
ラグビーのポジションと役割
ラグビーのポジションは大きくFW(フォワード)とBK(バックス)に別れます。
FW(フォワード)の役割
スターティングメンバーの背番号1〜8番の選手がFW(フォワード)と呼ばれます。
サッカーのように攻撃的な選手という意味ではなく、スクラムで押し合いをしたり、相手からボールを奪う役割を求められるので体の大きな選手ばかりで、ラグビー選手の中でも特にデカイです。
FWの8人が体を密着させ相手と押し合う行為。
それがスクラムです。
僕もFWとしてプレイしたことがあるので分かるのですが、ガッチリしたラガーマンで組まれるスクラムは男臭さの縮図みたいなものです。笑
簡単な反則の後はスクラムからプレイが再開されるのですが、味方ボールでのスクラムの場合は相手に押されながらボールをキープしなければいけません。
なので海外の選手より身体の小さい日本は不利だったのですが、最近は強豪相手でも押し負けないことも増えてきて、日本の進化が見えるポイントでもあります。
出典:朝日新聞DIGITAL
また、ボールがピッチの外に出た時に行なわれるラインアウトもFWの重要な仕事です。
サッカーで言うスローインのようなものですが、相手も競り合ってきますので、選手をリフトアップして相手より高い位置でボールをキャッチしたり、前後に移動して相手のジャンプのタイミングをずらしたりします。
どちらかと言うとFWの役割のほうが泥臭く、身体を張ったプレイが多いのですが、味方ボールのスクラムやラインアウトでも競り負けると相手ボールになってしまうので、味方がボールを繋ぐ上で大事な縁の下の力持ちと言えます。
BK(バックス)の役割
スターティングメンバーの背番号9〜15番の選手はBK(バックス)と呼ばれるポジションです。
BKはFWが繋いでくれたボールをトライまで持っていくのが仕事で、身体はFWよりも小さいのですが、足が早くパスなどテクニックがあります。
(小さいと言っても普通の人に比べたらめちゃくちゃデカイw)
前回の南アフリカ戦の最後の逆転トライのように、大きく横に展開をしてパスや足の速さを活かして最終的にトライを奪うのがBKの仕事です。
めっちゃ華があります。
FWやってた時はBKが羨ましくて仕方なかった。笑
でもFWがいてこそのBKです。
ラグビーの得点の仕組み
トライ | 5点 |
---|---|
コンバージョン(ゴールキック) | 2点 |
ペナルティーゴール | 3点 |
ドロップゴール | 3点 |
トライとコンバージョン(ゴールキック)
出典:朝日新聞DIGITAL
相手陣のゴールポストの後ろ、インゴールと呼ばれるエリアにボールを押さえることでトライとなり5点。
さらにトライした後に蹴れるコンバージョン(ゴールキック)が、Hの形をしたゴールポストの間に入ることで2点。
最大で7点獲得することができます。
コンバージョンを蹴る位置はトライをした場所によって変わるので、できるだけゴールポストに近い真ん中でトライをすることで追加の2点を取れる可能性が高くなります。
逆にディフェンス側からすると、トライされるならできるだけ端のほうに追いやるも重要です。
ペナルティーゴール
敵陣で相手が反則(ペナルティー)をした際に、その場所からキックでゴールを狙うペナルティーゴールを選択することが出来ます。
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このペナルティーゴールを決めることで3点獲得できるのですが、ゴールをするとトライを取った時と同じようにハーフウェーラインから仕切り直しになってしまうので、確実に3点を狙うのか、それともトライを狙って攻撃を続けるかは戦略次第です。
ですが前回の五郎丸選手のようにキックの成功率の高い選手がいると、相手は反則がしにくくなる(反則をすればペナルティーゴールを狙われる)のでプレッシャーをかけることができます。
ドロップゴール
試合中にドロップキック(ボールをワンバウンドさせて蹴る)でゴールに入れると、ドロップゴールとなり3点が入ります。
コンバージョンやペナルティーと違い、試合の流れの中で蹴るキックなので難しいのですが、マイボールであればいつでも狙うチャンスがあるのが特徴です。
ワールドカップ予選リーグの勝点について
ラグビーワールドカップはA〜Dの4グループ、1グループ5チームの計20チームが出場。
グループの中で総当り戦が行なわれ、2位までに入ればその後の決勝トーナメントに進むことができます。
この仕組みはサッカーなどと同じなのですが、ラグビーは勝点の仕組みに特徴があるので解説しておきます。
結果 | 勝点 |
---|---|
勝ち | 4 |
引き分け | 2 |
負け | 0 |
4トライ以上 | 1 |
7点差以内の負け | 1 |
「勝ち」と「引き分け」で勝点がつくのは分かりやすいのですが、特徴はそれ以外のボーナスポイントがあること。
1試合で4トライ以上取れば勝っても負けても勝点が1つきますし、負けても点差が7点差以内であれば勝点1がつきます。
このボーナスポイントがあるため、例え負けるとしても4トライを狙う、7点さ以内の僅差に持ち込むことが重要なので、観てる側も最後まで応援できるのもいいですね。
まとめ
ラグビーはルールや試合の流れが分かってくると本当に面白いですので、ぜひ今回のワールドカップの間に日本代表の試合を観ていただいて、1人でもラグビーファンが増えてくれるとマジで嬉しいです!
それではまた!!
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